香林坊、片町、広坂、タテマチに囲まれた柿木畠商店街は、どこか昔懐かしい風情が感じられる商店街。街には二つの用水が流れており、金沢らしい情緒も感じられます。表通りとはひと味違った魅力が満載で、思わず探検したくなる裏通りには、個性的な飲食店も多く、和洋中の達人が腕を振るう名店も。ランチの時間はもちろん、仕事帰りに“行きつけの店”へ足を運ぶ常連客から愛されています。街を訪れる年齢層は幅広く、シニア層からサラリーマン、OL、家族連れなどさまざま。街を抜ければ金沢21世紀美術館に通じていることから、近年は、美術館周辺の散策路としても人気。「21世紀ロード柿木畠」という名称を掲げ、観光ルートになっています。神輿に水を掛けて商売繁盛、無病息災を願う「水かけ祭り」や「金沢下町カレー博」など、ユニークなイベントも開催。懐かしさと新しさ。自分だけの隠れ家が見つかる商店街。それが柿木畠です。
庶民感覚、親しみやすい商店街
柿木畠は、藩政時代からの町名。火事が多かった当時、この一帯を火除地(ひよけち)とするため、藩土の邸宅を移転させて空き地にし、柿の木を植えました。これが町名の由来です。柿の木は、1759年(宝暦9年)の大火災により消失。その後、柿木畠という町名は無くなりました。しかし、2003年(平成15年)10月1日に旧町名が復活。これを機に商店街では、柿の木を「まちの木」として町内の各所に植え、街の特徴の一つとしています。以来、庶民感覚の親しみある商店街としての活動を続け、平成5年から毎年、「柿まつり」を開催。旧町名復活の際には地域一体となって祝い、伝統芸能である「柿木太鼓」も勇壮な音色を響かせました。近年は、2004年(平成16年)に開館した金沢21世紀美術館とも連携。美術館入館者を対象としたサービスの開始や、美術館と商店街の情報を一体化したオリジナルマップを作成し、誘客を図っています。
用水にまつわる数々の伝説
柿木畠を流れる金沢城の外堀と鞍月用水には、河童やかわうそにまつわる伝説が伝えられています。柿木畠振興会では、そういった物語にスポットを当て、街の魅力作りに努めています。また、街中にある柿木畠ポケットパークでは、定期的なイベントを実施。バンド演奏などが行き交う人々を楽しませています。